
ピッチャーは「12秒以内に投球を行わないといけない」というルールがあることを知らない方が多いと思います。
キャッチャーからボールをもらって、いつまでも投球しないピッチャーがいます。
これでは野球にはなりませんね。
ピッチャーが投球してくれないことには始まりません。
結論
投手は、ボールを受けてから12秒以内に投球しなければなりません。
ただし、このルールが適用されるのは、ランナーがいないときのみです。
この「12秒ルール」について、もう少し詳しく解説します。
なぜ12秒以内に投球しなければならないの?
現在の野球では、「スピードアップ」ということが言われています。
試合のスピードアップを目的として、試合時間を長引かせることがないように定められているルールです。
12秒の計測はどこからどこまで?
計測が始まるタイミングには条件があります。
- 投手がボールを持っている
- 打者がバッターボックスに入っている
- 打者が投手に面している(打者が投手を待っている状態)
これが計測が始まるタイミングです。
この条件を見ると、投手が投手板(ピッチャープレート)についていなくても計測は始まります。
また、カウントの途中での計測は、キャッチャーから投手がボールを受け取った時点で計測が始まります。
それは、打者が、カウント間では基本的にバッターボックス内でサインを確認しないといけないからです。
つまり、ボールデッド(ファールボールなど)にならなければ、投手がボールを受け取った時点で計測されます。
そして、計測の終了は、投手がボールを手から離したときです。
ランナーがいない状態でのルールになるため、投手がリリースしたところが計測終了になります。
12秒以内に投球しなかったらどうなる?
「ボール」が宣告されます。
ただ、この「12秒ルール」は試合のスピードアップを目的にされているものです。
そのため、野球規則5.07(c)には、
審判員は次のことを強調し、それにもかかわらず、投手の明らかな引き延ばし行為があったときには、遅滞なく球審はボールを宣告する。
野球規則より一部抜粋
と記載されています。
ここで書かれている「次のことを強調」というところは、下記の内容です。
(1)投球を受けた捕手は、速やかに投手に返球すること。
(2)また、これを受けた投手は、ただちに投手板を踏んで、投球位置につくこと。
野球規則より引用
まずは、投手や捕手に対して、速やかな投球を促すことからはじめると良さそうです。
ちなみに私は、実際の試合で審判をしているなかで、ストップウォッチを持って計測したことがあります。
試合のなかでの感覚だと、ピッチャーはキャッチャーからボールを受け取り、すぐにピッチャープレートにつかないと12秒を超えてしまいます。
私の感覚ではありますが、投球のテンポが早いピッチャーであっても、だいたい8秒くらいはかかっていました。
ストップウォッチは、雨天時の試合でも使用しないといけないので、防水使用になっているものを選ぶことをおすすめします!
連盟によっては、ランナーがいる状態のときは20秒以内に投球しないといけない「20秒ルール」というものもありますので、注意を受ける前に正しくルールの理解が必要です。