
「ボークの投球を打つ」ことは、あまり起こるプレーでもありません、、
ただ、ボークの投球を打った場合は打者側にメリットがありますので、覚えておいたほうが得するルールです!
結論
ボークが宣告された投球を打つことは可能。
ボークの投球を打ったとしても、打者側が不利を受けることはない。
ボークの投球を打った場合にどうなるのか、様々なシチュエーションによっても変わりますので、詳しく解説します。
塁に走者がいる場合
野球規則の6.02「投手の反則行為」、(a)「ボーク」に「ペナルティ」という項目があります。
ペナルティ (a)項各規定によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各走者は、アウトにされるおそれなく、1個の塁が与えられる。
ただし、ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四球、死球、その他で一塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも1個の塁を進んだときには、このペナルティの前段を適用しないで、プレイはボークと関係なく続けられる。
野球規則より引用
塁にランナーがいる場合、打者と走者がそれぞれ1つ進塁すると、プレーは続行されます。
打者と走者のどちらかが進塁できなかった場合は、ボークが適用されます。
打者と走者のどちらかが進塁できていたとしても、すべての打者と走者が1つ進塁できていなければボークになります。
そのため、打者または走者が1つ進塁できていなかった場合は、ボークの処置(走者はそれぞれ1つ進塁)が行われ、打者は打ち直しになります。
また、打者と走者がそれぞれ1つ進塁した上で、その次の塁でアウトになった場合、ボークは適用されず、そのアウトは認められます。
例をいくつか出します。
例1)ランナー1・3塁の場面で、バッターはボークの投球を打ち、セカンドゴロになった。1塁ランナーが2塁ベース上でフォースアウトになったが、そのときに3塁ランナーは生還し、バッターは1塁でセーフになった。
答え)1塁ランナーが1つ進塁できていないため、ボークが適用される。3塁ランナーの生還はそのまま認められ、1塁ランナーは2塁に進み、バッターは打ち直しとなる。
得点が1点入り、ランナー2塁でバッターは打ち直しで試合再開される。
例2)ランナー2・3塁の場面で、バッターはボークの投球を打ち、サードゴロになった。3塁ランナーがホームへ突っ込み生還した。2塁ランナーは動けずそのまま2塁ベース上にいる。バッターは1塁でセーフになった。
答え)2塁ランナーが1つ進塁できていないため、ボークが適用される。3塁ランナーの生還はそのまま認められ、2塁ランナーは3塁に進み、バッターは打ち直しとなる。
得点が1点入り、ランナー3塁でバッターは打ち直しで試合再開される。
※誰もアウトになってないからそのままで良いということではありません。
※攻撃側に選択権があると思われる方がいますが、ボークでは選択権は発生しません。選択権が発生するのはインターフェア(打撃妨害)のときのみです。
塁に走者がいない場合
打者が1塁に達した時点で、そのままプレーは続行されます。
打者の出塁については、ヒットだけに限らず、四球や死球、失策も含まれます。
そのため、打者が1塁に達した時点で、ボークはなかったものとなり、打者走者がそのまま2塁に向かいアウトになると、アウトは成立することになります。
内野ゴロやフライアウトで1塁に達することなくアウトになった場合は、投球はボールとなり、打者は打ち直しとなります。
もし、3ボールの状態でボークが宣告され、1塁に達する前にアウトになった場合には、投球はボールとなるため、四球の扱いになります。
ポイント
- 打者が1塁まで達したらボークはなかったことになる
- 1塁まで達せなかったら、投球をボールとして、打ち直し
(3ボールの場合は、四球)
ボークの投球を打って、もしアウトになっても打ち直しになるので、積極的に打ったほうが良いですよ!
審判員の方へ
「ボークの投球を打つ」ということはあまり起きないプレーです。
だからこそ、もしそのプレーが起こったとしても、いつでも冷静に対処できるように準備をしておきましょう。