
「隠し玉」が好きな選手ってたまにいませんでしたか?笑
見てる側からすると面白いプレーではありますが、隠し玉をやっていることがばれるとちょっと恥ずかしいですよね、、
結論
「隠し玉」を行っても、ルール上、問題はない。
ただし、投手がボークを取られる可能性もあるため、注意が必要です。
「隠し玉」と「ボーク」がどのように関係するのか含め、ルールについて解説します。
「隠し玉」とは
まず、「隠し玉」とは何かについて説明します。
「隠し玉」は、野手がランナーに気付かれないようにボールを持ち、ランナーがベースから離れたときにタッチをし、ランナーをアウトにするというプレーです。
この「隠し玉」については、賛否があるプレーではありますが、アメリカでは「hidden ball trick」と呼ばれ、トリックプレーの1つとして言われています。
実際にプロ野球でも隠し玉でアウトになったことがあり、ジャイアンツの清原選手を隠し玉でアウトにした横浜の佐伯選手や、ジャイアンツの元木選手が隠し玉をよく行っていたことで有名です。
隠し玉ができる条件
隠し玉は、ボールインプレー(つまり、プレイがかかっている状態)で行わないといけないプレーであり、ボールデッド(タイムやファールボールでプレイが止まっている状態)になると隠し玉を行うことはできません。
それは、ボールデッドの状態ではランナーがベースから離れていても、アウトにすることはできないからです。
例1)打者が2塁打を打ち、その2塁ベース上に到達した打者走者に対して隠し玉を行おうとします。
このときに、2塁ベース上にいる打者走者が防具(レガースや肘あてなど)を外すためにタイムを要求し、タイムがかかりました。
これでは隠し玉を行うことはできません。
上記の状況から隠し玉を行うためには、一度投手にボールを戻し、球審がプレイを宣告しなければなりません。
(球審がプレイを宣告するためには、投手が投手板(ピッチャープレート)につかないといけないため、ボールを一度投手に戻します。)
例2)打者が2塁打を打ち、その2塁ベース上に到達した打者走者に対して隠し玉を行おうとします。
打者は防具もつけていなかったため、タイムは要求せず、審判員もタイムをかけませんでした。
例2では、タイムがかかっていないため、そのまま野手がボールを持ったまま、隠し玉を行うことは可能になります。
隠し玉を行う際には、ボールインプレーなのかボールデッドなのかが重要になります。
隠し玉でボークを取られる?
隠し玉は主に守っている野手が行うプレーですが、投手もボークが取られる可能性があるプレーでもあります。
上記の例2のプレーでは、ボールインプレーの状況で野手がボールを持ったままになるため、投手はボールを持っていないことになります。
このときに、投手がボールを持たない状態で投手板に立ったり、跨いだり、投球するまねをしたりするとボークが宣告されます。
野球規則の6.02「投手の反則行為」、(a)「ボーク」の(9)には以下の記載があります。
(9) 投手がボールを持たないで、投手板に立つか、これをまたいで立つか、あるいは投手板を離れていて投球するまねをした場合。
野球規則より引用
野手が隠し玉を試みたときは、投手も隠し玉を理解し、ボークを取られないような動きを取る必要があります。
隠し玉への対策
最後に隠し玉への対策ですが、やはり、一番重要なのは、ボールから目を離さないということでしょう。
当たり前かもしれませんが、野球の中でボールから目を離すという行為自体、損をすることが多いです。
また、ランナーはボールから目を離さないことはもちろんですが、ランナーコーチャーも重要な役割を担っています。
隠し玉でアウトにならないようにするためには、ランナーコーチャーがボールを誰が持っているのかを教えてあげたり、ベンチからも声をかけてあげることが必要です。