
審判員は野手が走者に対して、タッグ(触球)を行ったかどうか、見やすい位置を確保して判定をしています。
もちろん、かすめただけでも、タッグできたのかどうかを判断し、アウトかノータッグかを判定しなければなりません。
結論
野手が手またはグラブに確実にボールを持った状態で、そのボールを持った手またはグラブで走者に触れればタッグできたことになる。
ただし、グラブの「ひも」が走者に触れただけではタッグできたことにはならない。
タッグ(触球)について、定義「76」を基にもう少し詳しく解説します。
走者へのタッグ(触球)の定義
野球規則の定義「76」に以下の記載があります。
76 TAG「タッグ」(触球)――野手が、手またはグラブに確実にボールを保持して、その身体を塁に触れる行為、あるいは確実に保持したボールを走者に触れるか、手またはグラブに確実にボールを保持して、その手またはグラブ(ひもだけの場合は含まない)を走者に触れる行為をいう。
野球規則より抜粋
つまり、走者へのタッグ(触球)の条件を箇条書きにすると、
- 手またはグラブにボールを確実に持っておくこと
- ボールを持った手またはグラブで、走者へタッグ(触球)をすること
重要なのは、走者へタッグ(触球)をするときは、ボールを持ったほうの手またはグラブでタッグ(触球)を行わないといけないというところです。
そして、グラブの「ひも」が走者に触れたからといって、タッグ(触球)できたことにはなりません。
ベースを踏むことによるタッグ(触球)
走者に「タッチ」をせずベースを踏むことも「タッグ(触球)」と言います。
(ちょっと日本語が分かりづらいかもしれませんが、走者に「タッチ」することも、ベースを踏むことも、どちらも「タッグ(触球)」という言葉を使います。)
走者に対して、直接タッグ(触球)を行うときは、ボールを持ったほうの手またはグラブでタッグ(触球)を行わなければなりませんでした。
ベースを踏むことによるタッグ(触球)は、手またはグラブにボールを持った状態で、身体が塁に触れれば、タッグ(触球)をしたことになります。
つまり、ボールさえ持っておけば、足でベースを踏まなくても、体のどこでベースに触れても良いということです。
野手がボールを持った状態でネックレスがベースに触れてもアウトになる?
野手がボールを持った状態で、ネックレスがベースに触れただけではアウトにはなりません。
野球規則の定義「76」の最後の一文に以下の記載があります。
≪本定義では、プレーヤーが身に着けているネックレス、ブレスレットなどの装身具は、プレーヤーの身体の一部とはみなさない。≫
野球規則より抜粋
ネックレスやブレスレットがベースに当たったからアウトだということにはなりませんので、注意が必要です。
審判員はタッグ(触球)をする瞬間、そのポイントをしっかり確認できる位置取りを行い、タッグ(触球)されたかどうかの判定を行います。
そのためには、野手と走者の間を見れる位置取りをするのが基本です。
そうすることで、「しっかり見えてるよ!」と説得力を増すこともできますし、自信を持って判定できるようになります。
私も「もっと良い位置があったのではないか」と思うことは毎回ですが、日々、鍛錬ですね。